くまちょこ発売2日前にあるく水運の戸口

行き


ひとりきりになりたい街と
ふたりきりになりたい手のひら


きみが教えてくれた
ゆったりとした箱のなか
言いだせずにいる


捨てるところのない魚は
しゃべりすぎるのに
まあるいお菓子と
クリーム色をしたカップ
もういちど花をみようという

帰り


おおくま座を見とどけて
人工の星たちのまえから
すぐに退散してしまうけど


異国のお茶は
いつまでもゆたんぽ


ほんとうのことを教えたら
消えてしまいそうな
泡の珈琲に
やっと言えて溶けていく


鎖骨にかかる星が
甘いおねがいごとを叶えて


ずるい葡萄の香りが食べてくれる