かなっていた夢


仕事の、全体からみた相対的な立ち位置、というのか、おおげさに言ったら「天命」とでもいうのか、なんとなく、自分はこういう役割をしたほうがいいな、と感じることがあった。




何年も前に「これかもなあ・・・」とぼんやり気付いていたのに、忘れてしまっていた。




わたしは、じぶんが、表舞台に立つのでなく、「橋渡し」をする役目のひとなんじゃないのかな、と思ったのだ。



キーワードは、
「橋渡し」「下準備」だ。




それを自覚したのは、某ボランティアだった。



最初は、自分自身も、作業をする人の、ひとりだった。
そのうち、みんなの「とりまとめ」というか「みんなの働きやすいように下準備する係」となった。中心人物のひとと、その人を慕ってあつまったボランティアグループみんなの、「橋渡し」をするような、役目だった。




だんだんと自分自身は実作業をすることがほとんどなくなっていったが、作業経験もあるから「あ、これは一番面倒な部分かな」と思うところを片付けた。


初めて来たひとのフォローをしたり、中心人物のひとへ、作業方針をうかがったり。
作業を標準化するためのマニュアルを作る、やり方がわからないひとの質問に答える、というのが、主な役割だった。




「こういうのを、仕事にできたらいいなぁ」



と思っていた。



でも、ひとに作業をやってもらう、とか、仕事を振る、とかいうのは、出世した管理職のひとのお仕事だよなぁ、管理職はめんどくさいし、責任感ないわたしには、重荷だし、嫌だなあ、と。(わがまま〜)




だから、そういう仕事につくのを、あきらめていた。




あきらめていたことさえも忘れていた。





昨年5月に、とりあえず食いっぱぐれないようになんでもいいッス、と仕事をつかみ、しがない派遣社員になった私は、実は、念願の仕事を手にしていたのだ。





社内のヘルプデスクをやることになった。




といっても、私の立ち位置は、ヘルプデスクの人たちのお手伝い的なところだ。




自分自身が「スペシャリスト」ではないけれど、
どの仕事を、どの部署の、どの人にやってもらえばいいか、判断する。



うちの部署の仕事なのか、他の部署と連携してやるのか、ぜんぜん違う、これはうちの仕事じゃない(と言ってみんなで押し付け合いも時々発生するんだが)と判断する。



うちの部署のみんなが、働きやすいように、下準備をする。




ああ・・・
そういうのが、わたしは、やりたかったんじゃなかったっけ。






夢は、かなっていたのだ。